1.食品中の銅を迅速に、しかも正確に定量する目的で原子吸光分光分析法を検討した。
2.原子吸光分光分析法による銅の定量法について基礎的な検討を行ない、その測定条件を定めた。
3.共存元素の影響について調べた結果クロームおよび錫がかなり銅の吸光度に影響をおよぼしたが、他の共存元素は殆んど影響しなかった。またこれらクローム、錫の影響は測定液中にカルシウム2000ppm添加することによりほぼ完全に抑制することができた。
4.回収率、再現精度ともに良く、満足な結果を得た。
5.生および缶詰食品中の銅を定量した結果、かき、たこ、いか、さざえ、マシュルーム等に多く含まれていた。
- 著者
- 長田 博光
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,267-271(1969)