41.茸類の生化学的研究-Ⅷ
キシランの分解について-2

A.bisporusのキシラナーゼを小麦培地より抽出し、部分精製を試みて、当酵素の一般的性質を検討した。

1.β-1.4′キシランに対する作用はpH5.4温度45℃〜50℃において最適を示した。

2.pHに対する安全性は4.4〜6.6であり、温度に対する安定性は50℃以上10分の処理では急速に不安定となり、70℃以上10分の処理では失活した。

3.塩類による影響はNaClによって活性化され、Zn++で阻害され る。

4.キシランの分解産物として、最終的にはキシロビオースを生成し、エンド型であると推定される。

当A.bisporusのキシラナーゼ作用様式はイナワラヘミセルローズに対するへミセルラーゼ作用様式と殆ど同様の結果を得た。

著者
橋本 一哉、高橋 善次郎
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,320-326(1969)

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