缶詰かきの緑色色素をシリカゲルカラムクロマトグラフィー、セファデックスLH-20によるゲルろ過、キレート剤およびペーパークロマトグラフィーにより精製し、石油エーテル、エーテル、アセトンおよびクロロホルムにて分別した結果5成分に分けられた。これらの色素の可視および赤外線吸収スペクトル、薄層クロマトグラフィーのRf値、溶剤に対する溶解性ならびに構成元素について調べた結果、緑色色素1と2は、ほぼ同一の色素であり、緑色色素4と5も同一であると考えられるので、缶詰かきの緑色色素は三成分より成り、それらはクロロフィルの誘導体であろうと考えられる。
- 著者
- 長田 博光
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,90-95(1971)