16.貝類缶詰の緑変に関する研究-Ⅲ
生かきと缶詰かきの緑色色素の物理化学的性質の比較

生かきの中にすでに缶詰かきの緑色色素の前駆物質、あるいは同一の色素が潜在しているかどうかを知るために、生かきの塩酸-アセトン抽出物を缶詰かきの緑色色素の精製法に従って精製分別し、その物理化学的性質を調べた結果、生かきの緑色色素は缶詰かきの緑色色素と同様に5つの成分に分けられ、それらの物理化学的性質はいずれも缶詰かきの緑色色素のそれに、ほぼ類似していることが認められた。

これら生かきの5つの緑色色素のうち3つの色素はほぼ同一のものであり、銅フェオホルバイド(クロロフィル誘導体)に類似していることが認められた。

著者
長田 博光
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,96-102(1971)

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