26.茸類の生化学的研究ⅩⅠ
食用茸類のCarboxymethyl cellulaseについて

食用茸類5種類の生産するCarboxymethyl cellulase活性を検討した。その内で特にPholiota namekoが強い活性を有することを認めた。

各茸類より調製した粗酵素について2、3の酵素化学的諸性質について検討した結果、供試茸類の起源により多少異なったがPholiota nameko では最適pHは4.5、最適温度は40℃、pH4.0〜6.0で安定である。耐熱性はpH4.5において、45℃以下では10分の熱処理でも安定であるが50℃以上では急速に失活した。

塩類の影響としては、Co++は賦活効果を示したがCu++、Zu++は強く阻害を示した。他の4種の茸類においても、大略Pholiota nameko の Carboxymethyl ce11ulaseに一致した。

また、濾紙崩壊活性および植物組織崩壊活性を有すことを認めたが、これらに関しては後報にて述べる。

著者
橋本 一哉
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,163-168(1971)

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