食用茸類5種類の生産するCarboxymethyl cellulase活性を検討した。その内で特にPholiota namekoが強い活性を有することを認めた。
各茸類より調製した粗酵素について2、3の酵素化学的諸性質について検討した結果、供試茸類の起源により多少異なったがPholiota nameko では最適pHは4.5、最適温度は40℃、pH4.0〜6.0で安定である。耐熱性はpH4.5において、45℃以下では10分の熱処理でも安定であるが50℃以上では急速に失活した。
塩類の影響としては、Co++は賦活効果を示したがCu++、Zu++は強く阻害を示した。他の4種の茸類においても、大略Pholiota nameko の Carboxymethyl ce11ulaseに一致した。
また、濾紙崩壊活性および植物組織崩壊活性を有すことを認めたが、これらに関しては後報にて述べる。
- 著者
- 橋本 一哉
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,163-168(1971)