Pholiota nameko の液内培養によるセルラーゼ生成の条件を検討し、培地組成の影響について基礎的な研究を行い、inducerとして粉末セルローズ、窒素源としてpeptoneが適した培地組成であり、培地のpH条件は5.0〜5.5付近で、このpH域を保つ為に燐酸塩は比較的高濃度を用いる。培養時の酸素供給が多い時は菌体の生育には適するが、セルラーゼの生成は低下するので適当な供給が必要であろうと思われた。
CMCの分解によって生ずる主な生成糖はglucoseおよびcellobioseを分解した。またxylannase、pectinase、galactomannase等細胞壁の分解に関与すると思われる酵素を同時に生成することを見いだした。
- 著者
- 橋本 一哉
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,169-174(1971)