Pholiota nameko の酵素の内、maceration活性、ろ紙崩壊活性およびβ-glucosidase活性について検討した結果、酵素濃度とβ-glucosidase活性は直線関係を示したが、maceration活性は0.5%以上では効果が減少した。ろ紙崩壊活性は酵素濃度の逆数に比例したが、当酵素の濃度を増加しても最低38分を要することを認めた。
各活性の最適pHはいずれも4.5付近に認められた。
植物組織の崩壊性は植物の種類によって異なるが完全に崩壊されない場合も組織の軟柔化が認められた。しかし植物組織の崩壊にはこれらcellulase系以外の加水分解酵素も関与していると推定される。茸類に対する溶菌性は殆ど認められなかった。
- 著者
- 橋本 一哉
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,176-179(1971)