23.核酸成分の変化から見た缶詰原料の鮮度-Ⅲ
かき肉中の核酸成分の変化

かきは缶詰原料として重要な食品である。前報に引き続いて核酸系成分の変化が鮮度の指標になり得るか否かを検討した。一方、貝類などの軟体動物では核酸成分に対する分解酵素の分布及び作用型式が硬骨魚類と異なっていると考えられているので、かきを対象として核酸成分の分布を調べ、それが種々の貯蔵条件においてどのように変化し、かつその変化がかき肉の鮮度とどのように対応するかを調べたので報告する。

かきの販売される時期及び産地によって多少の変化はあるが、ヒポキサンチン、イノシン、5′-IMPが存在することがわかった。特に生かきでは、1日後、また解凍時直後より数時間後において5′-IMP が多く見出された。

著者
毛利 威徳、橋田 度、平井 厚子、川崎 陽子
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,149-153(1973)

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