28.ポーラログラフィによる缶詰食品中のスズの測定法について

乾式灰化後ポーラログラフィーによるスズ分析法について若干 検討した。
1)試料の壊機法として湿式分解と乾式灰化が一般的に用いられているので両者について換討したが、スズ測定値に差は認められなかった。
2)灰化温度450℃と600℃の比較を行ったが両者間に差は認められない。しかも600℃で灰化した場合には灰化所要時間は可成り短縮された。
3)ジュース類似溶液およびアスパラガスなどでそのまま灰化するとスズの検出率が著しく低下することがある。このようなときには10%EDTA-4Na塩溶液5〜10mlまたはスズを含まない1/5濃縮みかん果汁1〜2mlを秤取試料に加えて灰化することによりスズの回収率は90%以上となり満足すべき結果がえられた。

著者
岩本 喜伴、前田 琇子
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,175-179(1973)

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