水晒し中にたけのこを崩壊する細菌は、ガス非産生の好気性菌Bacillus subtilis であることを認め、ある程度の耐熱性、耐酸性もあることを認めた。水晒し中にこの細菌による変敗(崩壊)を防止するためには水晒し温度を20℃位にして繁殖を抑制し、前報で述べたような乳酸菌の繁殖によってpHを速く低下させる必要があると考える。
また缶詰の場合には巻締時の蓋の汚染防止、pHを4.0まで低下させる、ヘッドスペースをできるだけ少なくし、酸素の封入を少なくするなどの必要があると考える。
膨張缶でたけのこを崩壊させる細菌はBacillus polymyxaであることを認めた。
- 著者
- 森 大蔵、池上 義昭
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,164-169(1973)