26.たけのこ缶詰の研究-Ⅳ
たけのこの崩壊菌について

水晒し中にたけのこを崩壊する細菌は、ガス非産生の好気性菌Bacillus subtilis であることを認め、ある程度の耐熱性、耐酸性もあることを認めた。水晒し中にこの細菌による変敗(崩壊)を防止するためには水晒し温度を20℃位にして繁殖を抑制し、前報で述べたような乳酸菌の繁殖によってpHを速く低下させる必要があると考える。

また缶詰の場合には巻締時の蓋の汚染防止、pHを4.0まで低下させる、ヘッドスペースをできるだけ少なくし、酸素の封入を少なくするなどの必要があると考える。

膨張缶でたけのこを崩壊させる細菌はBacillus polymyxaであることを認めた。

著者
森 大蔵、池上 義昭
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,164-169(1973)

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