膨張缶詰より8株の細菌を分離し、その諸性状を試験した結果、 C.pasteurianum3株、C.butyricum 2株、C.nauseum 2株 C.thermosaccharolyticum 1株であった。
これらの細菌のうち酪酸菌が5株と非常に多い。その原因は殺菌不足によるものと思われる。C.nauseumの発育限界はpH5.25であり、C.thermosaccharolyticumはpH4.75であるので、これらの細菌による変敗原因はpHの調整失敗によるものである。
このようにこれらの細菌による膨張を防止するためにはpHを4.75以下に調整し、耐熱性細菌の発育を抑制し、かつ耐酸性である酪酸菌を死滅させる殺菌を行なうことが必要である。
- 著者
- 池上 義昭、森 大蔵
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,170-174(1973)