1)トマト品種"ファイアボール" を用い、砂耕でトマト果実のNO3-N 濃度におよぼす培養液のNO3-N 、P、K、Ca、Mg濃度の影響を検討した。
2)一般に培養液のNO3-N 濃度が増加するに伴い、あるいはCa濃度が低下するに伴い果実のNO3-N 濃度は増加するが、K濃度が低下するに従って果実のNO3-N 濃度は低下した。
3)培養液のK濃度が極端に低濃度になると、培地のNO3-N 濃度が高くても果実のNO3-N 濃度は低くなり、培養液NO3-N濃度の影響はK濃度に左右される傾向が認められた。
4)培養液にNO3-N とKが十分存在する時にはCa濃度を高めても果実のNO3-N 濃度は著しくは低下しないが、NO3-N あるいはKのどちらかが低濃度の場合にはCa濃度を高めることにより、果実のNO3-N濃度は著しく低下した。
5) 培養液のPおよびMg濃度の影響は明らかな傾向が得られなかった。
- 著者
- 宮崎 正則、国里 進三、美谷 誠一、杉原 八郎、藪内 一雄
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,194-203(1973)