モデル溶液をRP-Fに充てんし,かつ変度におよぼすスズ化合物,ビタミンC含有量および封入酸素量等の影響について検討した.
同一スズ濃度の場合,スズイオンの形態によりかつ変度にかなりの相違が認められた.かつ変抑制効果は塩化第一スズ,およびスズ板が顕著で,次いで酸化第1スズおよびスズ粉末であった.しかし酸化第2スズは対照の無添加区よりかつ変は促進された.
ビタミンC無添加区ではかつ変は認められなかった.ビタミンCの減少量とかつ変度との間に関連性が認められ,かつ変にはビタミンCが関与している.
かつ変度はビタミンC含有量,および封入酸素量の多いものほど,またpHが高くなるほど促進された.
- 著者
- 岩本 喜伴、前田 琇子
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,12,1-5(1976)