9.園芸作物の硝酸塩蓄積に関する研究-ⅩⅤ
トマト果実の硝酸塩蓄積におよぼす肥培その他栽培条件の影響

ほ場栽培トマト果実の収量を低下させることなく,果実のNO3-Nを3ppm以下に低下させる方法として冬期間のみ湛水し,初春に排水,乾燥,耕起したほ場あるいはクロールピクリン消毒したほ場に緩効性窒素肥料を分施し,石灰を多肥し,かつ硝酸塩低蓄積性品種を導入栽培することがきわめて有効であることを認めた.果実のNO3-N含量を低下させる2つの条件「催色期の果実のNO3-N含量を低下させること」および「催色期以降の成熟過程で果実のNO3-N含量を低下させること」は上記の肥培条件および硝酸塩低蓄積性品種の導入により満たされる.

著者
宮崎 正則、国里 進三、美谷 誠一、杉原 八郎、薮内 一雄、黛 乙郎
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,12,49-56(1976)