フラットサワー変敗が生じたロット中の市販コーヒー缶詰2サンプル(各600缶)を室温と55℃で貯蔵試験した。室温貯蔵の場合,変敗缶はみられなかったが,55℃貯蔵の場合,フラットサワー変敗缶が,それぞれのサンプルで,40缶と16缶みられた.変敗率は8.9%と3.6%であった。無菌的に開缶された変敗缶30缶中27缶より,グラム陰性高熱性の胞子形成偏性嬢気性細菌が分離された.変敗缶の内容物,pH,真空度そしてフレーバーの変化,および分離菌株の主な生物性状は,新しいタイプのフラットサワー変敗(O. A.flat Sour spoilage)の場合と一致した.また,今回の高い細菌分離率(27/30)は,迅速な嫌気的分離により得られたと思われる.
*1 新しいタイプのフラットサワー変敗(第2報)
食品衛生学雑誌,第22巻,1981年
食衛誌,22,30〜36(1981).
- 著者
- 中山 昭彦、新屋 恵理子
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,14,86-93(1981)