14.偏性嫌気性飲料缶フラットサワー変敗原因菌 胞子に対する紫外線照射の影響(英文)

偏性嫌気性菌(O.A.)フラットサワー変敗原因菌6株の胞子の耐紫外線(UV)性およびUV照射がこれら胞子の耐熱性に及ぼす影響を検討した.その結果,これらの菌株の胞子数を1/10にするに要するUV線量は1300〜2600ergs/mm2であり,耐熱性のように特に耐性が強いとは考えられなかった.耐熱性に及ぼすUV照射の影響は菌株により異なったが,実験を行ったUV線量の範囲ではUV照射は少なくとも耐熱性を1/2に減少した.したがって,原因菌胞子の由来源としても最も疑わしい砂糖溶液へのUV照射は,加温式自動販売機中で生じる飲料缶のO.A.フラットサワー変敗の一対策となる可能性がある.

* 新しいタイプのフラットサワー変敗(第4報)

著者
中山 昭彦、新屋 恵理子
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,14,100-107(1981)