缶詰にしたえびの黒変原因の一つはフエノラーゼの酵素反応によってチロシンが酸化されて生成したメラニン色素が缶詰製造中の加熱によってさらに酸化が促進したためである.特にこの反応は冷凍原料を使用した場合に起りやすい.
この黒変を防止するために酸性亜硫酸ナトリウムを用いてえびを処理した.その結果,剥身えびを0.5〜1%の酸性亜硫酸溶液に2分間没潰し,2分間水さらししたのち100℃で1.5分間煮熟し,缶詰にすると黒変は防止でき,しかもえびに残存するSO2は30ppm以下となる.
- 著者
- 長田 博光、竹内 伊公子
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,14,42-47(1981)