剥皮液の再循環利用によって,みかん缶詰製造の省力化を考えた.遠心分離法と加圧浮上分離法によって剥皮液を精製した。遠心分離法では酸剥皮液はCOD8〜10%,ウロン酸10〜20%・SSはほとんど除去され,アルカリ剥皮液はCOD17〜33%,ウロン酸20〜38%,SSはほとんど除去された.しかし,遠心分離法では腐食(設備)するために使用しにくいので加圧浮上分離機を使用した.剥皮液のCODは約7000mg/ℓ,温度35℃以下,加圧浮上槽の形状は逆円錐形,加圧水量は1:2,加圧圧力は4〜6kg/m3,滞留時間は20〜30分.上記の条件で加圧浮上分離を行なうと,酸剥皮液はCOD10%,SS95%,ウロン酸15%,アルカリ剥皮液はCOD25%,SS96%,ウロン酸35%,加熱一波法の剥皮液はCOD30%.SS95%・ウロン酸40%除去された.
- 著者
- 毛利 威徳、加山 浩之、村田 晴代、宮田 京子
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,15,150-156(1983)