7.かまぼこおよびかまぼこ板の揮発性成分のGC-MSによる同定と定量

スケソウダラのすり身,杉板付き及びモミ(White fir)板付きかまぼこについて,SDE法及びTenax-GCヘッドスペース法で香気成分を捕集し,SDE法で113化合物を,ヘッドスペース法で49化合物を同定及び定量した.それらはセスキテルペン類(杉板),アルデヒド類,アルコール類,ケトン類,ピラジン類,エステル類,フラン類,及び炭化水素類で,すり身,杉板,みりん等の発酵性調味液及び天然エキス等に由来し,その調理効果によってバランスのとれたかまぼこの香りを構成している.杉板からかまぼこに移行するセスキテルペン類は8ppmにも達し,全揮発性成分の70%をしめており,魚の生臭さをマスキングし香気の改善に寄与している.モミ板は殆ど香りがなく,魚本来の香りを生かしたい場合には好都合である.

著者
達家 清明、小浜 正江、末兼 幸子
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,17,47-58(1987)

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