カキ果実にはカロテノイドが豊富に含まれている.そこで,18品種の幼果と成熟果についてカロテノイド含有量を測定した.液体クロマトグラフィーを用いてルテイン,ゼアキサンチン,β-クリプトキサンチン,β-カロテン,リコピンの5種類のカロテノイドについて分析したところ幼果ではルテインとゼアキサンチン,β-カロテンが検出され,成熟果では5種類すべてが検出された.ルテインとβ-カロテンは成熟果よりも幼果の方に多く含まれる結果となった.β-クリプトキサンチンは'市田柿',リコピンは'富有'に豊富に含まれることが分かった.カキには多種類のカロテノイドが豊富に含まれており,摂取により多くの健康効果を得られると期待できる.
- 著者
- 井土 良一
- 出典
- 東洋食品研究所 研究報告書, 34, 63-67 (2022)