28.ブルーベリー葉による腸管バリア構造保護効果を介したアルコール障害抑制効果

2019年度研究助成 (2020年度研究実施)

宮崎県において機能性素材として栽培されている,'くにさと35号'ブルーベリー葉は高い抗酸化活性を持つことで注目を集めている.本研究では飲酒による腸管損傷に対するブルーベリー葉熱水抽出物(BLEx)の作用を評価することを目的とした.ラットに5%エタノール含有食を5週間投与し,3% BLEx含有食の効果を検証した.BLExを摂取したラットではエタノールで誘発される血清リポ多糖レベルの上昇,大腸での酸化ストレスマーカーであるカルボニルタンパク質レベルおよび誘導型一酸化窒素合成酵素発現の上昇が抑制された.さらに,エタノール投与で腸管のタイトジャンクションを構成するタンパク質であるoccludinの発現が緩やかに低下したが,BLExの投与により改善した.以上のことから,BLExエタノール摂取による腸管内での酸化ストレスを緩和し,腸管バリヤ構造を保持することで,過度な飲酒による種々の疾患予防に有効であることが期待された.

所属
宮崎大学 農学部
著者
山﨑 正夫
出典
東洋食品研究所 研究報告書, 34, 221-225 (2022)

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