あさり等約7割の水産食品を対象にして、食品化学的見地から5′一ヌクレオチド類の分布を調べた。あさり過塩素酸抽出物について画分の同定を行った。5′-UMP、5′一AMPの存在を認めたが、5′-CMPの存在は微量のために確認することは出来なかった。
一般に貝類、あわび、かに、しばえびには3種の5′一ヌクレオチドが普遍的に認められたが2′一,3′-ヌクレオチドはほとんど見出されなかった。えび類においては、5′-IMPの存在を認めた。缶詰工程中において煮沸することまた加圧殺菌によって総5′-ヌクレオチド量が2〜3倍程度増加した。従ってダルクミン酸との相乗効果によって幾分かは旨味に影響することであろう。
- 著者
- 毛利 威徳、寺田 潤子、青山 延子、橋田 度
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,87-95(1965)