27.プラスチック包装食品の保存性-Ⅰ
プラスチックフィルムの通気性がフィルム包装したトマトケチャップに及ぼす影響

近年に於ける合成樹脂の発展に伴って、食品包装材としても各種のフイルムが生産され、生鮮食品から乾燥食品までその利用度は広い。最近は耐熱性の良好なFP(Flexible Package)が開発され包装食品も缶詰や瓶詰の様に加熱殺菌する事が可能になった。

我々は主に三種の耐熱性FP(CIP、RP、FOP)の透気性が各種の食品に与える影響について検討したが、そのうちトマトケチャップについての結果を報告する。

プラスチックフィルムより成る三種のFP(CIP、RP、FOP)とアルミ箔をラミネー トしたFPにトマトケチャップを詰め、35℃、暗所に保存した。結果はプラスチックフィルムのFP中のケチャップは急速に暗色化するが、それは透気性の大きいフイルムの方が小さいフイルムより早い。透気性の大きなFPでも周囲の空気を遮断すると変色速度は瓶と同じになる。またアルミ箔をラミネートしたFPに詰めたケチャップの変化も瓶詰の場合と同一である。アルミ箔をラミネートしたFPは透気性が殆んどない。この樣な事からFPの透気性が食品に及ぼす影響の大きい事を知った。

著者
鈴木 保治、三島 公子、西郷 英昭
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,197-201(1965)