MSG添加量を0.2%とし、5′-IMP0.1%、5′-GMP0.1%、あるいはリボタイド0.1%、0.2%を添加したコンビーフ形式のくじら缶詰を試作し、MSG添加量0.5%の缶詰と比較した。製造後lカ月、3カ月、6カ月に開缶し、食味試験を行うとともに残存5′-ヌクレオチド量を測定した。
コンビーフをミンチ肉にした場合、5′-IMP0.1%、あるいは5′-GMP0.1%添加は無添加対照に対し5%水準で有意となり、効果が認められたが、半年後は効果がやや落ちた。対照缶(MSG0.2%およびMSG0.5%)とリボタイド0.1あるいは0.2%添加缶を順位法で比較すると、リボタイド0.2%添加缶が最もすぐれていた。ミンチ肉を5倍量のスープにしたときは、5′-ヌクレオチドの効果がさらによくあらわれた。すなわち、5′-GMP、5′-IMP、あるいはリボタイドの効果が高度の有意煮で認められた。
これら5′-ヌクレオチドはコンビーフ缶詰中ではかなり安定で、室温保存中の分解はきわめて少なかった。なお、缶詰殺菌に伴う分解は30%以下と考えられる。
- 著者
- 毛利 威徳、寺田 潤子、橋田 度、沢田 芳夫
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,177-184(1967)