マッシュルームの冷凍工程におけるヌクレオチドなど核酸成分の変化を調べた。マッシュルームの冷凍試料は解凍条件によってヌクレオチド組成が異なるので冷時過塩素酸と共にホモジナイズし抽出して試料にすることが望ましい。
-20℃の冷凍保存ではATPが生原料の時に4.5μmol/g dry wt.あったものが、1カ月後には3.4μmol と減少し5′-AMPは生原料の時0.2μmol が1.8μmolと増加し、アデノシンの生成が認められた。なお5′-IMPの生成は認められなかった。
冷凍中マッシュルームのRNase活性、PDase活性、PMase活性は3カ月以降、やや失われて大体1/2になった。 この変化は呈味成分としては好ましいものである。
- 著者
- 毛利 威徳、橋田 度、志賀 岩雄
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,258-265(1967)