34.水産物の有機酸に関する研究-Ⅱ
アサリの有機酸の季節変化について

1.アサリの有機酸含量の季節変化ならびにコハク酸、フマール酸、リンゴ酸、シュー酸含量と産卵期との関係について調べた。

2.プロピオン酸、酢酸、α-ケトグルタール酸、クエン酸含量はあまり季節変化が認められなかった。

3.ピログルタミン酸は2月、3月、6月、10月に含まれていたが他の月には含まれていなかった。

4.リンゴ酸含量は11月、12月、1月にやや減少していたが、産卵期との関係は殆んど認められなかった。

5.コハク酸は産卵期直前に最高値に達していたが、産卵期に入ると減少していた。また量も約47mg%から226mg%と著しい差が認められた。

6.フマール酸はコハク酸と同様に産卵期直前に最高値に達し、産卵期に入ると減少していた。

7.殻の成分として重要なシュー酸は11月、12月、1月に著しい減少が認められた。

8.揮発性塩基窒素量は冬季より夏季の方がやや多くなっていた。

著者
長田 博光
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,293-296(1967)

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