14.フィルム包装食品の殺菌とその保存性Ⅴ
包装食品の残存空気が熱伝達におよぼす影響

横型殺菌棚を使った場合,retortable pouch包装食品の残存空気が加熱殺菌中の熱伝達におよぼす影響について調べた.

流動状,固形+流動状,固形状食品ともpouch内に残存空気があれば熱伝達が遅れることはあらかじめわかっていたが,実際測ってみるとその影響は大きく,残存空気があると殺菌温度保持時間を長く要し,多量の残存空気は殺菌不足の製品を生む一因となる.pouch内の空気を完全に除去するということは困難であるが,普通5ml以内にとどめるべきである.

その他残存空気は殺菌中の破袋や内容品の品質保持の点からも悪影響をおよぼすので注意を要す.

著者
西郷 英昭、鈴木 保治
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,11,85-91(1974)