容器詰果汁飲料の保存において,褐変がよく問題とされるが,今回,グリシン グルコース系のモデル液を作り,ラミコンカップに詰め保存性を検討した.
保存は室温暗所 明所(l000Lx)、30℃80%RH暗所で12カ月行い,褐変度,ビタミンC量の経時変化を調べ評価した.
比較容器として,ポリプロピレンカップ,アルミ箔積層レトルトパウチ(RP-F)を用いた.
その結果,ラミコンカップ詰はRP-F詰に比べ,褐変は進む傾向にあるが,変化は綬慢で,室温では5カ月,30℃では3カ月で褐変による着色が明らかに認められる程度であった。これに対し,ポリプロピレンカップ詰は保存初期より褐変が顕著に現われた.
また,ビタミンCは,室温12カ月でRP-F詰が85%,ラミコンカップ詰が70%の残存を示したのに対し,ポリプロピレンカップ詰では2カ月で残存はなくなった.
- 著者
- 西郷 英昭、久延 義弘、門田 和子
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,15,13-17(1983)