3.ラミコンカップ詰食品の保存性 - Ⅳ グリシン・グルコース系褐変モデル液について

容器詰果汁飲料の保存において,褐変がよく問題とされるが,今回,グリシン グルコース系のモデル液を作り,ラミコンカップに詰め保存性を検討した.

保存は室温暗所 明所(l000Lx)、30℃80%RH暗所で12カ月行い,褐変度,ビタミンC量の経時変化を調べ評価した.

比較容器として,ポリプロピレンカップ,アルミ箔積層レトルトパウチ(RP-F)を用いた.

その結果,ラミコンカップ詰はRP-F詰に比べ,褐変は進む傾向にあるが,変化は綬慢で,室温では5カ月,30℃では3カ月で褐変による着色が明らかに認められる程度であった。これに対し,ポリプロピレンカップ詰は保存初期より褐変が顕著に現われた.

また,ビタミンCは,室温12カ月でRP-F詰が85%,ラミコンカップ詰が70%の残存を示したのに対し,ポリプロピレンカップ詰では2カ月で残存はなくなった.

著者
西郷 英昭、久延 義弘、門田 和子
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,15,13-17(1983)

刊行一覧