5.加工用イチゴのへた取り作業の省力化に関する研究 - V 加工用イチゴの片手収穫栽培法の検討

加工用イチゴ品種'アメリカ'のへた取り作業を省力化する目的で,本研究は片手収穫によりへたを株に残し,果実だけを収穫できるという果実のへた離れ性を促進する栽培条件を見い出すために行った.またこの方法がへた取り所要時間およびジャムの品質におよぼす影響も調べた.

イチゴの株にジベレリンを4月始とその10日後に散布し,さらに灰色かび病防除農薬を散布すると,片手収穫によるへたなし果率は収穫盛期に80%以上になった.この場合のへたつき果のへた取り所要時間は慣行区の23%に減少した.摘果時間もかなり短縮された。その結果,摘果とへた取りの合計所要時間は慣行法の62%に減少しだ.この方法で栽培された果実のジャムの品質は慣行のものに比べて劣ることはなかった.

著者
宮崎 正則、美谷 誠一、佐藤 宏、木多 武雄、若狭 勝、奥 正和
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,15,25-32(1983)

刊行一覧