高速液体クロマトグラフ法で温州みかん果汁中のヘスペリジンの定量法を検討すると共にその方法を用いて果実及び果汁中のヘスペリジン含量の収穫時期による変化を測定した.
その結果,果汁中のヘスペリジン含量は収穫時期による差はほとんど認められなかったが,品種間では中生種がやや少なかった.みかん果実の部位によるヘスペリジン含量は果汁中に6.9〜15mg%,さのう膜に121.9〜533.7mg%,じょうのう膜に334.4〜752.6mg%及びアルベドに1446.0〜4705.2mg%含まれていた.収穫時期が遅くなるに従って,各部位ともヘスペリジン含量は減少の傾向を示した.
- 著者
- 森 大蔵、岩本 喜伴
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,15,68-73(1983)