サバ,イワシ及びサンマ生肉中の揮発性含硫化合物(VSC)として,硫化カルボニル,硫化水素,二硫化炭素,メチルメルカプタン,硫化ジメチル及び二硫化ジメチルをガスクロマトグラフ(検出器:FPD)で検出した.
これら魚肉の鮮度とVSCとの関係を調べた結果,鮮度が低下すると硫化カルボニル,硫化水素及びメチルメルカプタン量が多くなった.
これらの缶詰では,鮮度の良否とは関係なく原料肉に比べて硫化カルボニル及び硫化水素の生成が著しかった.3或いは6カ月後のサバ缶詰中の硫化水素量は多かったが缶内面に硫化黒変はみられず,硫化水素量と硫化黒変の生成との相関関係は認められなかった.
- 著者
- 竹内 伊公子、朽木 由香子、長田 博光
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,16,30-36(1985)