生加兼用の早生モモの育成を目的に育種を行い,'加茂1号'と'加茂4号'の2系統を育成した.'加茂1号'は,'大久保'×'缶桃2号'から育成されたもので,果実は'砂子早生'より数日遅れの7月上旬に収穫できる早生である.
加茂4号'は,'缶桃2号'×'大久保'から育成されたもので,果実は'大久保'より1週間早く収穫できる中生である.
両系統はともに,自家結実性があり,白色の溶質果実を生産し,その生産性は高い.生および缶詰の食味も極めて良好である.
以上の結果から,これら2つの系統は生加兼用の早生モモとして利用できると思われる.
- 著者
- 若狭 勝、木多 武雄、宮埼 正則
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,19,1-8(1992)