搾汁したばかりの温州ミカン果汁を,スズ板を入れた褐色ガラスびんと入れないガラスびんとに95〜96℃で充填した.このびん詰の果汁を0℃,25℃及び40℃において16週間保存し,その間水素炎イオン化検出器を装備したキャピラリーガスクロマトグラフによってジメチルスルフィド(DMS)の量を調べた.スズ板を入れた果汁と入れない果汁ではDMSの生成量にかなりの差がみられた.スズ板は温州ミカン果汁のDMSの生成を抑制すると思われる.
- 著者
- 達家 清明、末兼 幸子、酒井 康江、隅谷 栄伸
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,19,133-136(1992)