低酸性飲料缶詰の変敗原因菌となる好熱性嫌気性細菌Clostridium thermohydrosulfuricum に対する乳化剤の抗菌性を検討した.C.thermohydrosulfuricumは,もっとも有効であったSEP-1670を用いた場合でも,m-TGC培地中で9.2×103/mℓの胞子の増殖阻止に150ppmを必要とし,C.thermaceticumの場合の約10倍の抵抗性を示した.
乳化剤の有効性は抗菌性を阻害するスキムミルク,牛乳およびコーンスターチを添加した場合,さらに低くなった.
ミルクコーヒー中での加熱致死時間の測定では,SE濃度300ppmでLT50に120℃,25分の加熱が必要であった.
- 著者
- 遠田 昌人、池上 義昭、加瀬谷 マリ、小池 寿美江
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,19,167-173(1992)