ウーロン茶,コーヒー,紅茶等の14種類の飲料缶詰に一般缶詰の変敗原因菌として知られている9種類の細菌胞子を接種し,ホットパックした缶詰を至適温度で90日間保存した場合,接種した細菌がこれらの飲料缶詰で増殖可能か否を確認するため接種試験を行った.
pH6以下のウーロン茶缶詰やpH5付近のミルク入りでない紅茶缶詰は変敗しなかったが,pHが6付近のウーロン茶缶詰ではB.licheniformisによって変敗する可能性がある.
ミルク入りのコーヒーや紅茶缶詰ではほとんどの細菌が増殖可能である.ミルク入りでないコーヒー缶詰は,pH5付近ではB.coagulansやC.thermosaccharolyticumにより変敗し,pH6以下になるとC.thermaceticum以外の細菌によって変敗する可能性がある.
- 著者
- 池上 義昭・加瀬谷マリ、小池 寿美江、後藤 隆子
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,19,147-165(1992)