イチジク葉を原料とした茶液のアレルギー抑制効果について調査した.RBL-2H3 細胞では,茶液をIgE 抗体添加 (感作) 時に処理することで脱顆粒が抑制された.その際,細胞に結合 した抗体が茶液の処理時間に依存して培地中に遊離したことから,作用機序は抗体の解離促進であることが示唆された.また,マウスへの経口投与では,アレルギー性皮膚炎に対して抑制効 果を示し,イチジク茶が生体においても有効であることが示唆された.アトピー性皮膚炎モデルマウスの試験から,継続的にイチジク茶を投与することで,抗原投与終了後の症状の増悪が 抑制された.この結果は,イチジク茶がアレルギー症状の緩和だけでなく,回復作用も有することを示唆していた.
This is a pre-copyedited, author-produced version of an article accepted for publication in Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry following peer review. The version of record [Volume 84, 5, 1013-1022, 2020] is available online at DOI:10.1080/09168451.2020.1722608
- 著者
- 阿部 竜也
- 出典
- 東洋食品研究所 研究報告書, 33, 11-21 (2020)