公益財団法人東洋食品研究所が37種の名称で導入したイチジクを,樹体および果実特性等の類似性から25種に集約し,過去の文献との照合によって,1種を除く24種の代表的な品種名を対応させた.また,これらの品種の新梢生育,着果開始期,着果率,果実の肥大パターン,成熟開始期,成熟率,成熟果重などを調査し,(1)品種による成熟期の早晩と果実の大きさの違いが,主に生育第II期の長短とその時の幼果の大きさで決定していること,(2)果実成熟は着果順,すなわち新梢の基部から先端にかけて順次成熟するのが基本的特性でありながらも,この序列が新梢の徒長で乱れる品種があること,(3)いずれの品種も新梢の基部から先端にかけて果実が小さくなるが,その減少率は果実が大きな品種ほど大きいこと,などを明らかにした.
- 著者
- 細見 彰洋,高橋 徹
- 出典
- 東洋食品研究所 研究報告書, 34, 11-22(2022)