イチジク果実におけるアザミウマの侵入回避に関する研究

イチジクの重要害虫であるアザミウマの被害を、耐虫品種や新たな物理的手段で回避することを目的に研究を実施し,次の結果を得た。アザミウマの侵入プロセスと品種による被害差のメカニズム解明として、幼果開口部の解剖や培養を行い、果実内部の幼虫は内部増殖個体であり、開口部で孵化し侵入している可能性は低いと結論づけた。また、再検証は必要であるが被害差に関わる果実開口以外の要因が改めて示唆された。一方、アザミウマ侵入を果実開口部の被覆で回避する手段として、3種の素材を野外のイチジク幼果に試塗し、被害発生や果実品質への影響を調査した。このうち、キチンナノファイバ―については、収穫の遅れと果肉の糖度の減少傾向が認められたものの、アザミウマの被害度や侵入割合は有意に軽減される結果が示された。

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