廃棄されている柿幼果や過熟果を麹菌発酵により機能を向上させ、食品へ応用することを進めており、機能性成分の解析、過熟果に対する発酵の応用を中心とした検討を行った。β-リパーゼ阻害活性に関与する成分の精製を進め、活性画分を2グループに絞り込むことができた。同画分についても今後精製を進め、推定組成式およびデータベースでの化合物検索を行う。黒麹菌を用いた甘柿および渋柿成熟果の発酵では、富有、西条、平核無、市田、愛宕、白皮柿を用いて検討した。その結果、富有における幼果と成熟果、渋柿の品種間で機能性の増減傾向に相違が見られた。特に渋柿では顕著であったため、品種による成分の違いが機能性の増減傾向に影響することが考えられた。また、発酵物抽出液の生体に対する影響では現在ラットを用いた動物実験を行っている。