ゲノムスケール配列解析に基づく変敗原因菌の系統学的解析

容器包装詰食品・飲料の変敗品から分離した保存菌株について、再同定を行って分類学上の帰属を確認するとともに、ゲノムスケールの配列解析により基準株との相違点を明らかにし、検査に利用可能な配列情報を得ることを目的としている。酸性食品・飲料の変敗原因菌である、有芽胞乳酸菌Sporolactobacillus属菌について、再同定およびゲノムスケールでの塩基配列解析を行った。16S rRNA遺伝子の配列に基づく同定試験では、供試10菌株のうち3菌株がS. pectinovorans、5菌株がS. spathodeae、2菌株がS. putidiumとあらためて同定された。ゲノムスケール配列解析では菌株間差異は小さく、大きな欠失領域も見当たらなかった。変敗事故防止策として、遺伝子を利用した原料検査に際してはこれらの一群を一括して検出する必要がある。

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