柿の新規利用方法の開発

カキに含まれる機能性成分を探索し、食品に応用することを検討している。果皮に含まれるポモル酸と果実に含まれるcis-バクセン酸の生体への作用機構解明を進めている。マウスへのポモル酸投与により、肝臓での糖新生亢進と筋肉での速筋合成、解糖系の亢進が推定された。また、新規機能性探索として、筋萎縮モデルラットの無動状態は、カキ果皮由来トリテルペノイド高含有抽出物投与により緩和された。また、抽出物のカキ甘煮への添加は残存溶媒などにより風味を損なった。cis-バクセン酸の糖尿病マウスへの投与試験の結果、オレイン酸等と同様に摂食が抑制されることを確認したが、cis-バクセン酸特異的な作用は不明のままである。レプチン欠損マウスへの脂肪酸投与により、摂食抑制作用は、オレイン酸ではCCK、パルミトレイン酸ではCCK、オキシントモジュリンの分泌亢進によるとされたが、cis-バクセン酸では異なる機構の可能性がある。

平成30 (2018)年度実施

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