新規な作用機構を持つ抗アレルギー素材の研究

イチジク茶の機能性表示食品利用を目指している。花粉症予備軍でのヒト介入試験では、有意な抑制効果は認められなかったが、イチジク茶の継続的な摂取により、アトピー性皮膚炎(AD)に対する有効性が期待された。そこで、2018年度は、AD患者でのヒト介入試験への準備、安全性の向上、増強成分の分析などを実施した。
ヒト介入試験の準備では、ADモデルマウスでの抑制効果と原料葉の収穫を実施した。動物実験の結果、ヒト介入試験に用いるイチジク茶の用量を茶葉3g/100mlに決定した。また、その抑制効果は既報のべにふうき緑茶と同等の効果であった。原料葉は、目標収穫量には達しなかったため、今年度は、対象品種・収穫頻度を増やして収量の増加を目指す。
安全性の向上では、茶液中のフロクマリンの低減方法として見出した低温浸出法の最適化を検討した。結果、0.1 - 3.0℃、30 - 120 minの条件が好適であった。また、茶液フロクマリンの1種プソラレンがアレルギー昂進作用を有することを明らかにした。
増強成分の分析では、タマネギ外皮に含まれる増強成分としてBenzyfuranone (BF)を同定した。また、BF自体が抗酸化能、アレルギー抑制作用を有することを確認した。

平成30 (2018)年度実施

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