缶詰清酒の貯蔵における着色度増加傾向に関与する有力な外的要因を缶詰に封じこまれたある制限量の分子状酸素による酸化作用にあるものと考え、熱間満注法、glucose oxidase添加、ascorbic acidの添加、E.D.T.A.di-sodium salt の添加、及びsodium-hexameta phosphateの添加効果等について試験した。
その結果ascorbic acid及びsodium hexameta phosphateの添加は逆効果をもたらし却って着色度を増大したが、ascorbic acidの場合は、ascorbic acid 自体が着色物質生成の母体として作用することが推定された。
熱間満注法、glucose oxidaseの添加及びE.D.T.A.のdi-sodium salt添加は、いずれも着色度増加傾向の抑制に効果のあることが認められた。
- 著者
- 志賀 岩雄、小田 久三、木村 圭一、岩本 喜伴
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,25-45(1959)
大阪醸造学会主催第6回シンポジウム(1958年3月19日)にて発表