7.ポーラログラフによる缶詰の研究-XⅡ
市販パイナップルジュース缶詰の実態調査

我々が調査したパイナップルジュース缶詰65点につき、 化学分析及び統計処理の結果を考察すると、一般に市販されているパイナップルジュース缶詰は製造後8ケ月〜33ケ月経過の範囲の缶詰である。その真空度は32.6±2.7cm/Hgであり、スズの含有量は120±8.0ppm.であった。

又、食品衛生法の規格限界の150ppm.を越えた缶詰もあり、その原因として考えられる点は、市版オレンジジュース缶詰に比べると,経時日数の古い缶詰も市場に存在した点及び塗装缶中にも著量のスズが測定されたことから、移入原料中に既に相等量のスズが存在したのではないかと思われる。

著者
小田 久三、坊野 淳一、岡田 朋子、森 久美子、佐々部 芳子、沖永 みどり
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,43-48(1965)