みかん缶詰の白濁防止にヘスペリジナーゼを応用することを試みた。
1)ヘスペリジナーゼをみかんかん詰の白濁防止に応用した。
2)浸漬法、投入法ともに結果は良好であったが、実際の工場操業上からは投入法を採用するのが望ましいと考えられる。
3)ヘスペリジナーゼによりヘスペリジンをヘスペレチン-7-グルコシッドに分解することにより充分な白濁防止効果が得られた。そしてこの効果はMCの添加よりも大きかった。
4)6ケ月目迄の結果では未だヘスペレチンの生成量は極めて小量であった。然しこの状態でもその透明度は充分に保たれたものとみなされるので、ヘスペレチン迄完全に分解する必要性はないとも考えられるが、この点更に今後の開缶結果によって考慮したい。
- 著者
- 澤山 善二郎、下田 吉夫、奥 正和、松本 熊市
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,126-134(1965)