5′-IMP 0.04%、5′-GMP 0.04%あるいはリボタイド0.04%、0.08%を添加したかき水煮缶詰および5′-IMP 0.01%あるいはリボタイド0.01%、0.02%を添加したかきスープ缶詰を試作し、製造後6カ月間にいわゆる「食研法」などによる食味試験を行なうとともに残存5′-ヌクレオチド量を測定した。
かき水煮缶詰の場合2点撰択法では約60%の人が5′-IMPまたは5′-GMP添加缶を美味と判定し、また「食研法」によってリボタイド0.04%または0.08%添加の旨味効果が認められた。
これらの効果は、ほぼMSG0.1%の添加効果に匹敵した。添加した5′-ヌクレオチド系調味料はかなり安定で残存率はほぼ60%以上であった。
かきスープ缶詰の場合は、添加した5′一ヌクレオチド類がほぼ55%以上残存していることは認められたが、その旨昧効果は明らかには認められなかった。これは無添加対照缶でもすでに十分な配慮の下に作られており、それ以上の5′-ヌクレオチドの添加を必要としないからと考えられる。
- 著者
- 毛利 威徳、寺田 潤子、橋田 度、後藤 泰治、斉藤 勲
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,172-181(1969)