2.生物による缶詰工場廃水処理に関する研究-Ⅱ
ミカン缶詰工場の廃水処理

前報において,振盪培養法により各処理条件の検討を行ったが,実際の廃水処理としてスケールアップした時,連続培養でなくてはならない.その場合,汚泥の馴養等多くの問題点があると考えられる.

本報では,まず馴養方法と汚泥による連続処理,BOD負荷と除去率との関係等の連続処理条件に基づいて,50tの曝気槽までスケールアップを行い処理の検討を行ったので報告する.

振盪培養法ではBOD1000ppm以下では約4時間で90%のBOD除去効果を上げることができた.BOD負荷3.4〜4.0kg/m3/dayでほぼ90%以上の効果を上げえた.連続培養においてもBOD負荷3.5〜4.0kg/m3/dayでほぼ90%以上の効果を上げることができた.50t槽では汚泥濃度1500ppm,滞留時間7.6時間,BOD負荷0.39(kg/kg/day),酸素量16.68(kgO2/day)で処理を行った結果,約90%のBOD除去率を上げることができた.

著者
毛利 威徳、川崎 陽子、平井 厚子
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,11,8-13(1974)