12.フィルム包装食品の殺菌と保存性-Ⅲ
燻製かき油漬レトルトパウチ包装について

燻製かき油漬をレトルトパウチに密封し殺菌したものについて保存性をしらべた.
1.RPF包装を12ヶ月保存して,30℃保存のものは油の過酸化物価やカルボニル価が少し増加したが,未だ充分に食べられるものであった.室温に保存したものと冷蔵したものは,油の変化はほとんどなく食味も良好であった.また室温に保存したものを缶詰と比較したが,両者の間に品質の差は認められなかった.
2.3年7ヶ月室温に保存したRPF包装は油の品質に変化なく,食味も良好で輸出検査の合格品に匹敵する品質が保持されていた.又この時のRPFと比較に用いた缶には容器としての異状は認められなかった.
3.RPT包装では30℃と室温保存区とも,食品の品質は急速に低下し,冷蔵したものでも油の過酸化物価は2ヵ月後急速に増加した.

著者
鈴木 保治、西郷 英昭、志摩村 妙子、久延 要
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,11,73-79(1974)