中間層にエバールを積層した多層シートをカップに形成した新しい容器「ラミコンカップ」は酸素遮断性が極めて優れ,透明性も良く,レトルト殺菌が可能なので,食品保存容器としては従来の透明プラスチック容器にはみられない性能を備えたものであると考えられる。
このラミコンカップについて実際に食品の保存性能を知る目的で大豆油を用いて実験を行った.
保存は冷蔵(暗所)室温(暗所,明所1000Lx),30℃80%RH(暗所,明所600〜800Lx)で1年間行った.
その結果ラミコンカップは室温及び30℃80%RHの明所1年の保存でも過酸化物価は保存前と変らず,また色,においの変化も無色透明のガラスビンと同等の保存性能を示したので優れた容器であるということを知り得た.
- 著者
- 西郷 英昭、久延 義弘、門田 和子、鈴木 保治
- 出典
- 東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,14,1-7(1981)