2.レトルトパウチのシール部強度に関する研究-Ⅰ
加熱処理後のシール部強度に及ぼす貯蔵の影響

レトルトパウチのシール部強度について,貯蔵の影響を検討した.レトルトパウチに,中性食品として水,油性食品として水〜サラダ油,酸性食品として4%酢酸水溶液のそれぞれのモデル食品を充填し,所定の加熱殺菌を行なったのち,パッカー側シール強度が貯蔵中に内容食品によって影響されないかどうかについて1年間の保存試験を行なった.レトルト殺菌処理をほどこすことにより,シール強度は元の強度に比べて低下するが,それ以降はほとんど経時変化はないと考えられる.またモデル食品別にみると,中性,酸性,油性の各食品の順に強度に差異がみられ,油性食品のシール強度が最も影響を受けていることが認められた.

著者
小林 一
出典
東洋食品工業短大・東洋食品研究所 研究報告書,14,8-11(1981)